高齢化が一瞬のうちに進む

原発の関係で避難指示がでた地域の人たちが、福島県だけでなく全国各地に避難しています。原発問題が長引く中、この方々が暮らしていたところに帰るめどが立ちません。長期化するという声も大きくなってきており、不安な毎日を過ごしています。


ある病院では、土曜日にもかかわらず外来に患者さんがあふれるほど来ていました。入院を希望される方も多く、本来なら入院が望ましい方でも入院を先延ばしにせざる得ない状況です。患者さんを守るべきスタッフも足りず、増員もしくは支援が必要です。

震災から1カ月近くがたち、すこしずつ落ち着き始めた病院が多い中、なぜこうなっているのかというと、避難指示のせいです。

人口が19000人ほどの町に、ある日突然2000人以上の方が避難してきたらどうなるでしょう。それも大半が高齢者でしかも劣悪な環境のため体調を崩しがちです。

そう、その町の高齢化が一瞬のうちに進むということです。

しかし高齢者を支える医療や福祉の体制は一瞬にかわることができません。よって既存の医療や福祉を支える人たちに急激に負担が増えてしまいます。


自分の住むところのそばにある避難所にいくという従来型の仕方ではなく、原発問題による避難は、受け入れた市町村に新たな負担がかかる避難の仕方です。ですから、受け入れ側は、負担増を吸収するための新たな体制を作らなければならず、それはおそらく県、国、そして全国民の支援が必要となります。

急に負荷がかかった病院や施設に急いで支援の手を。