一瞬SF映画のワンシーンかと思いました。

津波にのまれ、ヘドロとがれきに覆われた仙台市の荒浜から、ふと海の反対側をみると、舞い上がる埃の向こうに、仙台市街の高層ビル群が見えました。一瞬SF映画のワンシーンかと思いました。でもこれは現実です。

ひとつの景色の中に、こんなに差を感じたのは生まれて初めてです。


もとの生活を取り戻した人、復興をめざし歩み始めた人がいます。一方でまた3月11日のまま、全く先が見えない人もいます。自衛隊や地元の人たち、ボランティアのみなさんたちが頑張って、がれきを整理し町を取り戻そうとしています。しかし数百キロにわたり海辺の町が壊され、その範囲の広さがゆえに実は手が付けられていないところがまだ多くあります。

だから平等になんていいません。どこも、コツコツと黙々と一歩一歩前進していってほしい。


この1か月、3分の1くらいを被災地で過ごしてきましたが、やったという充実感より、もっとできたという後悔の方が大きい。しかしこの想いをエネルギーにして、人がこの出来事を心の中で消化できるまで、ひとつひとつ支援を続けようと思います。