「資質の向上」という言葉が入っています。

埼玉県看護連盟の男性看護師のランチョンセミナーがありました。
男性ばかり80名ほどが参加。各県で行われる男性研修に何度も参加しているのですが、なかなかこの景色には慣れません。

冒頭に会った、埼玉県看護連盟の佐藤会長の話にのって、看護師等人材確保法について話すことから始めました。今から20年ほど前にこの法律ができたとき、僕は国会議員の秘書をしていて、この成立過程を体験しています。
ランチョンセミナーでは、後の看護界が大きく変わることになるこの法律が、どういう想いでできたのかを共有しました。


ポイントは、第1条。

第1条(目的)
この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び保健医療を取り巻く環境の変化等に伴い、看護師等の確保の重要性が著しく増大していることにかんがみ、看護師等の確保を促進するための措置に関する基本指針を定めるとともに、看護師等の養成、処遇の改善、資質の向上、就業の促進等を、看護に対する国民の関心と理解を深めることに配慮しつつ図るための措置を講ずることにより、病院等、看護を受ける者の居宅等看護が提供される場所に、高度な専門知識と技能を有する看護師等を確保し、もって国民の保健医療の向上に資することを目的とする。

この文章の中に「資質の向上」という言葉が入っています。看護師の確保という”量”をテーマとして法律に、なぜか”質”が入り込んでいることにお気づきでしょうか。

それまでの看護政策は数の確保や労働条件の向上が主たるテーマでしたが、この法律の制定をきっかけに、看護も「質」を課題とする時代に入りました。そしてその後、看護教育の大学化や看護協会による専門・認定看護師制度の創設など、質向上をめざした展開が始まるわけです。

もしこの法律に「資質の向上」という目的が入っていなければ、質向上への取り組みはもっと遅れていたと思います。法律の制定の影響の大きさがわかる、よい例だと思います、



また、グループワークも面白かったです。僕のいたグループでは、男性が看護をめざすために、どうしたらいいのか意見交換しました。小さいうちから看護に親しむ機会をつくることが大切ですね。

セミナーが終わって多くの男性看護師が元気に帰って行ったと感じました。これからもいい仕事を続けていきましょう!